PM:MP40

MP_40.jpg

ドイツのエルマベルケ社が1940年に開発した短機関銃。
 1936年より発生したスペイン内乱で、義勇兵として参加したドイツ将兵の戦訓から短機関銃の必要性が認められた。これに対して軍兵器局はエルマベルケ社に対して生産効率の高い短機関銃の開発を要求し、従来の木製ストックなど生産に手間取る部品を使わず可能な限り金属やプラスチックで代用した短機関銃Maschinenpistole 38(MP38)を開発した。Maschinenpistole 40(MP40)は、MP38を更に部品の簡易/効率化を施した物である。
 だがMP40も初期型ではMP38同様安全装置の動作不全は直っておらず(落下させると暴発する危険があった。ベルグマン系統の銃器に共通する欠点である)、解消されるのはMP40/I(ドイツ軍はMP40とMP40/Iを区別はしていないが、マガジンハウジングに違いが見られる)になってからである。MP38もその頃には改修されて、安全装置の不備を直したものが第一線で活躍している。
 作動は、シンプルなブローバック方式だが、フルオート射撃の際に連射スピードが高くなりすぎないように、テレスコピック(伸縮式)・チューブと呼ばれる円筒の中にリコイル・スプリングが収められている。このメカニズムは、後退するボルトの速度を抑える働きと、連射の反動を軽減する働きがある。
 MP40は終戦までに約100万挺が生産されドイツ戦線各地の主力短機関銃となり、近接戦闘時やKar98Kを持つ歩兵の援護に活躍した。戦後も東側陣営や一部の地域では1980年代まで現役だった。
 なお、面白いバリエーションとして、MP40-IIというものが存在する。これは占領下のオーストリアのステアー社で開発されたもので、71連ドラムマガジンを装着出来るソビエトのPPSh41に対抗して、32連マガジンを2つ横並びに装着出来るようにしたモデルだった。一本目のマガジンを撃ち尽くすと、横にスライドしてもう一方のマガジンに切り替わり、ほぼ連続して64発(32発×2本分)を連射することが出来た。しかし、この複雑な機構によって動作不良が頻発し、重量増加(装弾時5.5kg)も兵士への負担が大きかったため、生産数はごく限られたものとなった。

 本銃の愛称である『シュマイザー』だが、本銃の開発にはドイツの有名な銃開発技師ヒューゴ・シュマイザーは関与していない。どうも連合軍が捕獲したMP40を見て、シュマイザー技師が開発する銃の特徴に似ていた事から開発者をシュマイザーだと勘違いして呼び始め、そのまま呼称として定着してしまったのが原因らしい。ちなみに当銃の設計者はエルマ社のハインリヒ・フォルマー技師。
 後にヘーネル社に移ったシュマイザーが警察機構向けに当銃にMP28の木製ストックとセミ/フルオートセレクターを追加したMP41を設計したために、特許権などで裁判沙汰となった。

 あまり知られていないが、本銃は銃口にネジが切られており、標準的に減音器の取り付けが可能である。大量生産SMGの中で脱着式サプレッサーの取り付け装備を標準化させたのは、本銃が恐らく初だろう。


300px-9mmLuger.jpg

9x19mmパラベラム弾


種別 短機関銃
口径 9mm
銃身長 251mm
使用弾薬 9x19mmパラベラム弾
装弾数 32発, 64発(MP40-IIのみ)
作動方式 シンプル・ブローバック方式
オープン・ボルト撃発
全長 630mm/833mm
重量 4,025g
発射速度 500発/分
銃口初速 380m/秒
有効射程 100m




  • 最終更新:2012-08-23 00:56:36

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード